SHUKOCHIJINの日記

日々の気まぐれエッセイ

2024.1.2 日の出

  2024年,年頭所感。

 朝の散歩ついでに,日の出を見に行ってきました。水平線に雲が広がっていましたが,きれいに輝いてくれました。寒すぎず,いい日の出鑑賞ができました。

*新年早々,能登半島での大きな地震。驚きました。被災された方にお見舞い申し上  げます。早く,復旧復興しますように…。

 

 さて,2024年がスタート。個人的にも,まだまだパワーアップしていきたく,今年はどんなことを頑張ろうかなと考えています。

 昨年を振り返ると,まず読書が目標冊数を超え,新しいジャンルや著者にも手が伸び,少しは視野を広げることができたかなあと,まあまあの満足度です。行ったことのないところ,気になっていたけど行けなかったところにも,コロナ5類移行も手伝って,思い切って出かけることができました。楽しい時間を,それなりに過ごせたかなと感じています。ただ,年の後半は疲れが見えて,前向きになれない時間もありました。それでも,なかば趣味(?)になっている散歩ついでのごみ拾いは継続でき,生活の一部になっているなと思います。

 年末に母が他界し,改めて自分が父母の遺伝子を受け継ぎ,この世の中に生かされているんだなあと,ちょっとオーバーかもしれませんが,感じた次第です。感謝の気持ちをもち,毎日の仕事や人付き合いを大事にしていくことも母への恩返しなのだろうと思ったりして。それが継続できるかは今後の自分次第ですが。

 そんなわけで,「これだ!」という大きくて明確な目標は持ててないものの,昨年まで続けている,読書,ごみ拾いを継続し,時々楽しいことも計画・実行しながら,そこに今年は体力つくりもちょっとウェイトを大きくしていきたいなと。そうそう,そろそろ退職後のことも考えておいて,スムーズに第二の人生に移れるようにしたいですね。最近「人生100年時代」と言いますし。 

 

どうしてますか? 本の整理・・・

 年末、仕事部屋を片付け・掃除、ついでに模様替えもしましたが、困ったのは本の整理。少しずつ処分はしてきたものの、まだまだ本棚に入らないものもあり・・・。そして模様替えを機に本棚の数も少し減らしたので、さらに行き場がなくなっている状態。

 世の中の本好きさんはどうやってこの問題を解決しているのかなあ。自分としては、

①読み終わった時点で、キープするか古本屋などに売るかを決め、キープしたいものは本棚へ、売るものは専用の箱か本棚の一角へ置いておき、ある程度たまったら売る。

②そのほか古くておそらく売ってもゼロ円でしょう的な本は、紙ゴミ(リサイクル)の日に出す。

こんな感じでやってますが、やはりたまるんですよね~。気に入っている本も多くなり、再び読むことはないだろうと思いつつ、題名を眺めるだけで励まされる感じがして、だんだん本棚が足りなくなってくる・・・。

 

何かいいアイデアを知って実践している方がいらしたら、教えてください!!

 

 

 

一人旅の思い出 ~広島方面~

 あれは20年以上も前のことになります。一人で広島方面へ旅に出ました。年末だったと思います。

 1つめの訪問先、広島原爆記念館は年末で休館日。残念! でも以前に行ったことがあったので、気持ちを切り替えて宮島へ。そして、尾道尾道では持光寺で握り仏をつくり、夕方は商店街をぶらぶら。自分の地元とは違う商店街の空気を感じるのも大変よかったですね。とある画廊(?)で一枚の絵が大変気に入り、手持ちのお金が大分少なくなるのを知っていながら購入してしまい、その後の旅に多大なる影響を及ぼしたのですが・・・。尾道に「招き猫美術館」なるものがあり(今でもあるのかは分かりませんが)、招き猫に数と種類に感動。充実のひとときでした。

決断のエネルギー

 久しぶりの投稿です。今年もあと1か月となりました。

 この間、仕事で決断を下すことがあって、その決断までに時間を要したというか、決めてしまえばチームのみんなが動けるので早く決めればよいのになかなか決められない、という反省すべきことがありました。別段誰かの命に関わることでもないし、どちらの選択にもメリット・デメリットがあるわけで、でも、失敗が怖くてなかなか決められない、そんな自分でした。

 そして、決めた後、チームのみんなが何も言わずに行動に移してくれてとてもありがたかったし、肩の荷が下りて、その決断に大きなエネルギーを使ったことを実感しました。

 なかなかその場になると「決断」って難しいものですね。データや情報を広く集めることも、冷静な判断の秘訣かな、などと思ったり。

 みなさんは、判断、決断するとき気をつけていることがあるのでしょうか?

 

人生、初富士山。

忍野八海

 超久しぶりの投稿です。

 初めて富士山に行ってみました。スバルラインで5合目まで、あと忍野八海にも。行ってみたいなと思ってなかなか機会がなかったのですが、新田次郎の「強力伝」「芙蓉の人」など富士山にまつわる小説を読み、「行かねば」と思った次第です。幸運にも、週末はお天気の予報。いざ、車で休憩を挟み6時間以上かけて行きました。

 ああ、期待以上の富士山のきれいさ、雄大さ、昔からの信仰を感じました。日帰り温泉の中から眺める富士も、また格別。5合目から間近にみる富士山の火山独特の山肌もかっこいい。余談ですが、売店で売っている「富士山めろんぱん」にも感動しちゃいました。おいしかった。

 「日本一の山」とはいうものの、その実感がなかった50年あまりの人生。これからは実感を自分なりの実感をもって「日本一」と言いたいと思います。

 1泊2日のタイトツアーで、あまりいろいろな場所にはいけませんでしたが、「百聞は一見にしかず」、とても興奮した週末でした。

「アラスカ物語」 新田次郎さん

 新田次郎さんの小説2つめに挑戦。「アラスカ物語」は宮城県石巻市出身のフランク安田がアラスカのエスキモーの暮らしに溶け込み,その一生を人々のために尽くした話。

 白人から受ける差別,それは時に命の危険もあるほどの差別。そして命がけで村を人々を救おうとした強い意志。現地で出会った日本人,白人との信頼関係。戦時下の理不尽。自然の厳しさ,美しさ,そして畏敬。

 常に命がけなのでハラハラドキドキ。でも,もっとも心拍数が上がったのは,フランクの場面ではなく,妻がもう一人の女性と一緒に留守を守っている夜に起きた狼群との戦いでした。しかも,そのタイミングで赤ちゃんが生まれるなんて!「読み進めるのが怖い!」と一度本を置いたりして・・・。白人カーターが本当に信頼のおける人かどうかも気になりながらの読み進め。結局,最後まで信頼できるいい人で本当によかった。

 歴史的にはアメリカの捕鯨の歴史,動物の乱獲,ゴールドラッシュ当時の人々の必死さ(金の亡者のギラギラした感情),そして,それに翻弄されるエスキモーたちの暮らし。栄枯盛衰。様々な背景をみたなあという感じ。明治の人の強さをこの本でも感じた。

 新田次郎さんの本,2つめも毎日仕事から帰って家で本を開くのが楽しみでした。次は何を読もうかな。

 

 

新田次郎さん,ありがとう!「密航船水案丸」

 新田次郎さんの「密航船水安丸」を読んだ。きっかけは,宮城県登米市東和町のことを知りたいと登米市のホームページなどを見ていて,この本の存在をしったことから。自分もカナダ(登米市姉妹都市BC州のVernon市)に短期間だけど住んだことがあったし,東和町も結構な回数(目的地への経由として)訪れたことがあったので,それをつなぐ題材がまさか本になっていて,しかも著名な新田次郎さんの著書とは!それに加え,新田次郎さんが若い頃勤務した中国長春(当時の満州)は,自分も同じ満州だった大連に数年住んだことがあり,身近に感じていた。奥さんの書いた「流れる星は生きている」もそのときに読んだし,息子さんの藤原正彦さんの著書「国家の品格」「祖国とは国語」もそのときに読んでいる。なぜか,新田次郎さん本人の著書は読んでいなかった。たぶん堅いイメージで自分の好みではないだろうと勝手に思い込んでいたのかも。

 ためしに電子ブックで購入すると,話にどんどん引き込まれていきました。久しぶりに,「ああ,続きが読みたい!!」と思いながら本を閉じる(電子ブックをOFFにする)毎夜だった。 

 まず,及川甚三郎という人。裕福な家(小野寺家)に生まれたが,養子になり及川姓に。養蚕業などの事業を次々と成功させたが,満足せず,挑戦し続けた人。バンクーバーでは,鮭の筋子を食べずに捨てていることを知り,日本への輸出を考えたり,ドッグサーモンという現地の人が食べない鮭を缶詰にしたりと,ビジネスチャンスを確実に手にした人。バンクーバーの小さな島を日本人の島にしたいと,約80人の同郷人を連れて,密航させたこと。(「密航」とはいえ,正式な移民として手続きできる見込みがあったことにはほっとするし,実際正式に移民として認められた。)甚三郎の,白人たちと対等にという思いや,日本人の誇りをもって島のみんなを統率したこと,感銘。もちろん大変な苦労だし,移民となった同郷の人たちも必死で働いて,渡航費を返済したり,日本の家族に送金したりした。明治の人々の一生懸命生きる姿を知った。当然,現地白人とのトラブルや差別もあったし,移民生活は決して楽ではなかった。一方,故郷東和町米川では不作が続き,カナダからの送金は彼らの救いだったようだし,渡航した人も家族のためにという思いがあったと思う。

 今,日本で働く外国人はどうだろうか? 賃金は安いだろうし(技能実習生のため?),でもその中から母国の家族に送金したり将来のため貯金したりしているんだろうなと。ああ,歴史は繰り返されているのかという思い。

 また,80人の移民は,まず最初の1年間カナダの大陸横断鉄道の建設のため働かなければならなかった。自分も訪れたことがある横断鉄道のいくつかの名所。当時,何も知らず笑顔で記念撮影をしていた自分が恥ずかしくなる。苦労して開通したのは知っていたが,日本人もここで働かされ(当然危険な仕事だから外国人を安い賃金で雇っていた。中国人も多かったらしい。),命を落とした人がいたことを。例えば黒部ダムの建設もそうだが,我々の便利な生活は先人たちの苦労(というにはあまりにも軽い言葉だが)の上に成り立っていることを知るべきだし,伝えていくべき・・・・・・。そんなことを思う。

 さて,及川甚三郎の転機は息子の英治の水死から。すっかり気を落としてしまった彼は,やがて帰国。ただ,これで終わらないのが彼。帰ってからも広淵沼の干拓のため,独自に測量に取り組む。ただ,これは宮城県で進めていたので実際は彼の調査したものは使われていない。しかし,彼の調査そのものは県のそれと大分近かったと著書では言っている。

 帰国前の出来事で,甚三郎が河の上で白人と一騎打ち的になるシーンがある。相手は拳銃を持ち,甚三郎はたしか短刀。どう考えても不利なのだけれど,船が揺れるので拳銃は思うように狙いが定まらないと考える冷静?あるいは捨て身?な甚三郎。結局,白人は甚三郎のすごさに圧倒され,逃げてしまう。このシーンが,映画を見るように結構どきどきだった。

 今,バンクーバーにある彼らが住んだ島はどうやらだれもいないようだ。少なくとも著者が取材したときには。そこにいた日本人(特に2世3世)はやがて白人社会に溶け込み,日本人だけで暮らす必要がなくなったようだ。カナダに日系人が多いのは知っていたが,自分の知っている土地の人たちが多く渡ったことを知り,もう一度カナダに行って,今度は違う視点で現地を見てみたいなと思った。・・・行けるかな? そういえば今年パスポート期限切れを迎えるんだっけ!!

 ああ,ともかく自分にとってインパクトの大きい1冊。これを機に,新田次郎さんの「アラスカ物語」(これも宮城県出身の方の物語らしい)と娘さんの「父への恋文」(藤原咲子・ヤマケイ文庫)を注文。しばし,新田ファミリーの”追っかけ”をすることにする。